ferme & miryuu

現実をみる

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押尾被告の裁判の様子が毎日報道されていますね。
今日は仕事上でも関係の深いERの教授が証言をされたようで、
教授の証言内容を興味深く見させてもらいました。

私もERにいた時、MDMA中毒症例は何度も経験があります。
急性中毒レベルはあっても、でもやっぱり死亡例はありませんでしたよね。
当時(といってももう10年以上前)でも、一般市民の生活にMDMAは確実に忍び寄っていたから、
(患者となって搬送されてくる人は、至って普通の人たちです)
今ではもっとさらに日常的に、容易にこうした違法薬物を入手できるような時代になってしまっていると思います。

患者となった人が持参したMDMAを見せてもらいましたが、本当にラムネ菓子みたいなんですよね。
かわいい絵柄が書いてあったり刻印してあったりで、大きさも見た目もまったくラムネ菓子。
あの見た目の安易さで、勧められるがまま知らずに摂取してしまう人も多いのかな?と思います。

MDMAよりさらに手ごわい覚醒剤症例も何件かありましたが、
それでもやっぱり即死症例はなかったです。覚醒剤は大量投与で心不全などを起こして搬送されて
くるケースでも、ウォッシュアウトと心不全に対する処置を行えば、まず救命は可能です。
例え到着時CPAであっても、3次ERであれば年齢が若い人なら最終的に開胸心マまでトライすると思います。

しかし、実際にはそこまで段階が進んでからの搬送よりは、錯乱状態になった段階での119確知が
圧倒的に多いですよね。例えば脳障害や肝機能障害、精神障害など身体的な原因で起きる不穏状態と、
MDMAや麻薬中毒による不穏状態は明らかにまったく違うタイプのものだからです。
救命救急の専門経験があるスタッフであれば、すぐにどちらが原因の不穏・錯乱状態か判別可能です。

言い方を変えると、こうした麻薬系薬物による不穏状態を 医療知識がない一般の方が
ひとりで対応すること自体がほとんど無理な状態というか、まず不可能な気がします。

こういう症状を間近に見ると、麻薬系薬剤の本当の恐ろしさを実感できると思います。


ひと昔前は、こうした薬剤もその道の人達を中心に高値で取引されていたこともあって、
一般人の間では せいぜい高所得者など金銭的に余裕のある人達の間でしか流通していなかった
事情もあるようですが、最近では10代の逮捕例・補導例や専業主婦の使用例も増えてきていて、、、
本当に日本はどうなっちゃっているんだろう???と思います。
売人たちが、逮捕されたあとに
「日本ではなんでこんなに一般人が麻薬を買うのかと驚いた」と自供しているニュースもありましたよね。

こういう問題を、あくまで自分とは無関係な世界・・・と思わずに、自分のすぐ周りでもこうした問題が
日々繰り返し起きているのであろうと危機感を持っていけたらと思います。
事実、私が出会ってきた中毒患者さんたちも お昼間は普通にみんなが知っているような企業で
普通に仕事をしていたり、一見社会的な地位も立場もあるような人たちだったりでしたから。

あくまで個人的な感覚でしかありませんが、日本という国が、ゆっくりと確実に
いろいろな力に蝕まれているような感じが ここ10年くらいしています。

by miryuu_farm | 2010-09-10 14:13 | ★まいにち・ひび★
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